最後のしいたけ

8月に死んだばあちゃんは
料理があまり好きじゃなかったけど
食材には気を使う人だった。

干ししいたけは原則大分産で
肉厚のものを吟味して選ぶ。
そんな商品は結構高い。
実家から出てからというもの
ばあちゃんが使っていた位のものは
1度も買ったことがなかった。

ばあちゃんが死んで家を片づけていたら
使いかけの干ししいたけの袋が出てきて
賞味期限の記載がなくて悩んだけど
乾物だしな~と思い、自宅に持ち帰った。

美味しい!
肉厚で、香りが違う!!

袋にはまぁまぁな量が残っていたけれど
今日のこの料理でとうとう最後…。
ばあちゃん、今までありがとう。
と、なぜか葬式の時より強く思った。